
フィラリア症について

犬糸状虫という寄生虫を知っていますか?
この寄生虫は、フィラリアとも呼ばれ、蚊によって伝染し犬の心臓に感染します。
フィラリア症は、すべての犬に感染する可能性がある恐ろしい蚊媒介の寄生虫病です。
症状が出た時にはすでに末期で根治治療ができない状態になっている事がほとんどです。
日本ではどこでもフィラリアに感染する可能性があるため、予防薬は非常に重要なのです。
月に1回は愛犬に予防策をとる人も多いと思いますが、では一体フィラリアはどんな病気なのでしょうか?
名称は知っていても、その詳細を知っている飼い主さんは少ないのではないでしょうか。
ここでは、今更聞けないフィラリアの疑問について、改めて説明していきます。
フィラリアの感染経路とライフサイクル

犬を飼ったことのある方なら、フィラリア(犬糸状虫)について名前を聞いたことがあるかもしれません。
フィラリア(犬糸状虫)は、内服薬や注射薬で予防が推奨される寄生虫症です。
しかし、一部の地域では未だ予防意識が広がっていないためか、日本でも未だに発生が続いている現状があるようです。
蚊が媒介して心臓に寄生するということを知っていますが、多くの人はどのような症状が発生し、何に注意する必要があるかを正確に把握していない場ことが多いと思われます。
犬のフィラリア症に関する適切な知識があれば、予防に対する将来の認識が変わる可能性があります。
フィラリアは以下のステップによってライフサイクルを維持しています。
1. フィラリアは心臓の肺動脈に寄生します。
2. 寄生から約6〜7か月後、成虫のメスは子虫(ミクロフィラリア)を産みます。
3. 蚊によって吸い込まれる犬の血中にミクロフィラリアが生存しています。
4. 蚊の体内に入ったミクロフィラリアは成長し、2回の脱皮後にL3(第3期幼虫)になります。
5. L3は蚊の口吻に移動し、感染の機会を待ちます。
6. 蚊が別の犬を吸血すると、L3が犬の体内に移動します。L3はまだ血液中に入りません。
7. 皮下組織、筋肉、脂肪内で、L3は約3か月以上にわたって発達し、血管に移動します。
8.心臓の右心室に戻る子虫は、肺動脈で成熟し、1.に戻ります。
フィラリア症の概要と症状

犬糸状虫症というのは、フィラリア症とも言われており、原因菌はフィラリアになります。
フィラリアは、犬糸状虫とも言われています。
そうめんとよく似た犬糸状虫の成虫は、雌の場合は体長30cmもの体長になり動物の肺動脈に寄生します。。
犬のフィラリアの蔓延により、体内ではさまざまな症状が起こります。
・肺動脈寄生症
これは、成虫の寄生虫が本来の寄生部位である肺動脈に寄生したときに発生する状態です。
症状は寄生虫の数によって異なりますが、簡単に疲れる(運動不耐性)、咳、貧血、呼吸困難、腹水貯留などがあります。
・大静脈症候群
成虫は元の寄生部位である肺動脈から三尖弁の口まで移動し、三尖弁の機能を損ない、その結果、著しい循環不全と血管内溶血を引き起こします。
症状は急性経過をたどり、肺水腫、血色尿症、黄疸などを突然発症し、ショック状態を引き起こします。
・幼虫移行症
犬の体内を移動する幼虫が臓器に侵入すると発生します。
脳や脊髄への侵入による運動麻痺やけいれんなどの神経症状は、前眼房に入った場合、前眼房混濁や虹彩炎を引き起こすことがあります。
・アレルギー性肺炎
多くのミクロフィラリアは肺の毛細血管内で死亡することにより、好酸球が集まり、肺炎や肺水腫を引き起こします。
・糸球体腎炎
高率の糸球体腎炎は、ミクロフィラリアまたは犬糸状虫成虫抗原が関与する免疫複合体が腎臓の糸球体に沈着することによって引き起こされます。
この場合、軽度のタンパク尿が検出されます。
このように、フィラリアは犬や蚊の体内を循環します。
犬糸状虫症は犬のフィラリア症ですが、犬糸状菌の幼虫がいる蚊に人が刺されれば感染します。
糸状虫症は犬を殺す致命的な病気です。
しかし、犬糸状虫症は多くの場合、人間に症状を引き起こさず、胸部でX線検査が行われるときに偶然に起こることがよくあります。
さらに、犬のフィラリア症は幼虫移行症です。
幼虫移行症というのは、動物の寄生虫が人の体内で成熟することができず、幼虫の状態で場所から場所へ移動する病気の総称です。
ttps://office-fleq.com/filaria/filaria-human
猫のフィラリア症

フィラリアは、犬糸状虫という名前の寄生虫ですが、最近の研究では、猫でもフィラリア症を発生することが示されています。
猫の場合、犬よりも糸状虫の寄生が少なくても重篤な症状を引き起こします。
これは、猫の心臓と血管が犬よりも小さく細いためです。
したがって、犬のような治療を行うことができない場合があります。
また、猫を室内飼育していても安心はできません。
人間は時々蚊を外から連れてきます。
上層階でもエレベーターに蚊が入ることがあります。
また、室内の猫の40%がフィラリアの幼虫を飼っていたというデータもあります。
もちろん猫用の予防薬もあります。
ノミやダニの予防も兼ねている医薬品もあるので、獣医師に相談してください。
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フィラリア症の治療

主な治療は、成虫が寿命を迎えるのを待つ間、蚊から新たに体に侵入したL3を駆除することです。
成虫の寿命は約5年と言われており、治療には長期間を要します。
このとき、ミクロフィラリアはL3の駆虫とともに死滅するので、それによるアレルギー反応に注意が必要となります。
海外でもヒ素剤が使用されていますが、死んだ成虫が血管に塞栓するリスクが高く、日本ではヒ素の使用が認可されていないため、国内では一般的ではありません。
開胸手術により心臓から寄生虫を取り除く治療法もありましたが、全身麻酔のリスクが高く侵襲性が高いため、現在はあまり推奨されてはいません。
犬糸状虫は死んで見つかる場合が多いため、犬糸状虫症の診断が確定していると、治療をあえて行う必要はないと考えられています。
フィラリア症の予防

一番のフィラリア予防対策は蚊に刺されないことです。
しかし、現実には、散歩などで外出が欠かせない愛犬にとって難しいお話です。
フィラリア症は犬の生命を脅かし、治療に長期間を要しますが、定期的な駆虫によって予防することができます。
駆虫薬には様々な形態があり、あなたの犬に合ったものを選ぶことができます。
・タブレット(錠剤)
・チュアブル:おやつとしてお召し上がりいただけます。
・注射薬
・滴下薬:首にかけるだけのタイプです。
どのタイプでも効果に大きな違いはありません。
ここで重要なのは予防期間です。
フィラリア予防薬は、蚊の発生開始から蚊の発生後1か月まで投与する必要があります。
フィラリア予防薬は厳密には「予防」薬ではありません。
体に侵入したL3を駆虫する薬であって、フィラリアの幼虫をその都度リセットする薬です。
蚊の発生が終わり、最後の予防薬投与を受けない場合、幼虫は冬の間成長し、春には成虫になることがあります。
そのため、蚊の発生が終わってから1カ月後までは予防薬が必要です。
また、季節ごとに予防薬を投与する前に、血液検査を行い、成虫の体内に虫がいないことを確認します。
万が一成虫がいる場合、予防薬の投与は深刻なアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
いくつかの予防薬は、お腹の寄生虫の駆虫やノミ・マダニの予防も兼ねている医薬品もあります。
蚊の発生時期に関係なく、一年を通してフィラリアの予防薬を服用することで、他の寄生虫の脅威から愛犬を守ることができます。
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まとめ
- フィラリア症は、すべての犬に感染する可能性がある恐ろしい蚊媒介の寄生虫病です。
- フィラリア症に感染すると、肺動脈寄生症、大静脈症候群、幼虫移行症、アレルギー性肺炎、糸球体腎炎などのさまざまな症状が起こります。
- フィラリア症は猫などの他の動物や人にも感染する可能性のある病気です。
- フィラリア症は定期的な駆虫によって予防することができます。駆虫薬には様々なタイプがあり愛犬に合ったものを選ぶことが出来ます。
