フィラリア症予防を始める前に知っておくべき3つのポイント
今の時期は本格的なフィラリアシーズン真っただ中です。
本来であれば、蚊が出始める3月から4月にかけてフィラリア予防を始める飼い主さんがほとんどだと思います。
しかし、まだフィラリア予防対策を行っていない飼い主さんもまだまだいるはず。
ワンちゃんや猫ちゃんを飼い始めて間もない方は、フィラリアに対する知識も少なく、何をどうやっていいのか分からない場合もあるかと思います。
このペットくすりWEBで何度も記事に書いてあるとおり、フィラリア症は命に係わる危険な病気です。
そしてフィラリア症は犬だけでなく猫も感染する怖い病気です。
一度フィラリア症に掛かってしまうと完治は難しく、治療できても重い後遺症を抱えて過ごす場合がほとんどです。
なので、フィラリア症は感染しないための「予防」がとても重要なのです。
そしてフィラリア予防は「予防薬」を定期的に投与すれば100%フィラリア症からワンちゃんや猫ちゃんを守ることができます。
ここで一つ注意です。
フィラリア予防薬は厳密には「予防」薬ではありません。
ワンちゃんや猫ちゃんの体内に侵入したフィラリアの幼虫を駆虫する薬であって、フィラリアの幼虫をその都度リセットする薬なのです。
これからフィラリア症予防対策を始めようという飼い主さんは、このことを念頭に置いた上で知っておくべき次の3点を理解してくだい。
フィラリア予防薬を投与する前に検査は必要か
動物病院でフィラリア予防薬を処方してもらっている飼い主さんは問題ないと思いますが、インターネット通販などで安くフィラリア予防薬を購入し、それをワンちゃんや猫ちゃんに与えようとしている場合は投与する前に検査は必要でしょうか。
よく、動物病院のサイトやペット関連のブログなどでは、予防対策を始めるシーズンの前に必ずフィラリア症に掛かっていないかどうかを検査する必要があると謳っています。
その理由は、もしフィラリア症に感染していた場合、それを知らずに予防薬を飲ませてしまうと、体内にいるフィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)が大量に駆除されて、それが原因でアレルギー反応を起こしてしまうからです。
アレルギー反応(アナフィラキシーショック)で最悪命を落としてしまう場合があるというのです。
しかし、それらの情報は本当なのでしょうか?
海外では、日本の動物病院で処方されるフィラリア予防薬と全く同じものが、一般のドラッグストアやペットショップで販売されています。
海外の飼い主さんは事前検査無しで、ワンちゃんやネコちゃんにそれらの薬を与えています。
もちろん、フィラリア予防薬が一般薬として販売されて20年以上経過してこれまでに格段の不都合は生じていません。
これらの日本と海外の状況の違いは何故起こっているのでしょうか。
日本国内では、厚生労働省と農林水産省が医薬品医療機器法に基づくペット医薬品の承認と規則を制定しており、フィラリア予防薬は「要指示医薬品」に認定されているという現実があります。
「要指示医薬品」は獣医師等の処方箋または指示書がなければ入手できないのです。
こんな法律を定めているのは世界的にも稀で、日本はペット医薬品に関してはかなりの後進国と言わざるを得ません。
基本的には、海外で一般薬として販売されているフィラリア予防薬は安全な医薬品であると言えます。
副作用も軽微でありますし、これらのフィラリア予防薬で愛犬や愛猫がアレルギー反応で死亡するということは、まずありえません。
ペットくすりWEBでは、フィラリア予防薬を通販・個人輸入で購入した場合でも、投与前検査は必ずしも必要ではないという立場をとっていきたいと思います。
それよりも問題なのは、何らかの理由(近くに動物病院が無い、仕事が忙しくて毎月動物病院に通えない)で、大事な愛犬や愛猫にフィラリア予防をしてあげられない飼い主さんが未だに数多くいるという現実です。
もちろん、時間、経済的に余裕のある飼い主さんが、かかりつけの動物病院で事前検査をしたいというのであれば、それに越したことはありませんが、大事なのは確実に愛犬や愛猫にフィラリア予防をしてあげるということなのです。
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フィラリア予防薬の投与期間を理解する
動物病院でフィラリア予防をする際に、予防薬の選択肢の一つとして注射薬があります。
注射薬の予防効果は多くが1年程度あるので、言わば未来型の予防薬と言えます。
注射を1度行えば1年間は何もしなくてもフィライア感染からワンちゃんや猫ちゃんを守ることができます。
しかしその他のお薬は、蚊によって体内に注入されたフィラリアの幼虫を1ヶ月ごとに駆除する薬になります。
つまり蚊の出ていない冬の時期からあらかじめ服用しても、予防効果は変わりません。
またそのシーズンの最後の投薬時期も重要です。未来を予防しない薬なので、最後の投薬以降に刺されて感染した分は次の年に駆除することになるのです。
フィラリア症の予防期間の目安は、蚊が飛び始めてから、消えて1ヶ月後まで予防薬を与え続けることです。
蚊は平均気温が14度を超えると飛び始めますので、地域にもよりますが一般的に、3月〜4月から11月〜12月程度の約8ヶ月間予防を継続する必要があります。
冬の間にワンちゃんや猫ちゃんの体内でフィラリアの幼虫が成長している、ということが無いように最後の投薬後に蚊がいないかしっかり確認しましょう。
また、別の記事で紹介しますが、これらの問題はフィラリア薬の通年投与という手法で解決します。そちらも参照していただければと思います。
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フィラリア予防薬の種類を理解する
フィラリア予防薬には色々なタイプがあります。
前述したように、注射薬はその中の一つですがこれは動物病院でないと処方はできません。
なのでインターネット通販などでフィラリア予防薬を自分で購入して、ワンちゃんや猫ちゃんに与える場合は、どんな種類のお薬が存在するのかをきちんと理解する必要があります。
まず、フィラリア予防薬には3つの主要なタイプがあります。それぞれ特徴や違いがあります。
チュアブルタイプ
肉やお菓子の味や香りがあり、おやつのような食感に加工されているお薬です。
ワンちゃんの食いつきがいい人気のタイプで、飼い主さんの投薬の手間を最小限に抑えることができます。
錠剤タイプ(タブレット)
その名のとおり、錠剤のお薬です。 タブレットは、服用に慣れている犬にとっては良い選択肢かもしれません。
またタブレット型の薬を細かく砕いておやつや小さな食事と混ぜることもお勧めです。
一部の錠剤タイプのお薬は、割り安く作られているものもあるので、そのようなものを選択することも一つの方法です。
スポットオンタイプ
皮膚に垂らして使うタイプのお薬です。 チュアブルタイプのお薬に食いつきが悪い、経口薬は全く飲んでくれないというワンちゃんには、スポットオンタイプの薬を使うと便利です。
またフィラリア予防薬の効能についても様々なタイプがあります。
- フィライアのみの駆虫
- フィラリアと消化管寄生虫駆除
- フィラリアとノミ・ダニ予防(マダニは含まない)
- フィラリアとノミ・ダニ予防(マダニも含む)
- フィライアとノミ・ダニ予防と消化管寄生虫駆除(オールインワン)
効能によって様々ですが、当然効能が違うので費用も様々です。フィラリアのみの予防薬とノミ・マダニのみの予防薬のセットという組み合わせの選択もあります。
またフィラリア予防薬の種類として、ブランド品かジェネリック品かという切り口もあります。
- ブランド品(安全性・信頼性を重視する飼い主さんにおススメ)
- ジェネリック品(効能・費用面を重視する飼い主さんにおススメ)
以上、フィラリア予防薬の種類について述べましたが、予防薬と一口で言っても様々な種類が存在します。
ワンちゃんや猫ちゃん、そして飼い主さんの様々な状況に応じて、一番適したお薬を選択することが重要です。
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ペットくすりWEBのおススメフィラリア予防薬
フィラリア予防を始める前に知っておくべきことは色々ありますが、とくに重要な3つのことを述べました。
愛するワンちゃんや猫ちゃんをフィラリア症から守るためには、フィラリアを寄生させないこと。
そしてそれは「予防」しかないのです。
是非このことを忘れずに、ワンちゃん猫ちゃんを守ってあげてください。
ここでペットくすりWEBではおススメのフィラリア予防薬をご紹介したいと思います。
前述した様々な種類やタイプが存在するフィラリア予防薬ですが、いっぱいありすぎて何を選んだらいいのか分からない、という飼い主さんは参考にしてください。
どのタイプもペットくすりでの人気No.1売れ筋の人気商品になっているので安心です。
タイプ別 ペットくすりWEBおススメフィラリア予防薬
チュアブルタイプ
ストロングハートプラス・チュアブル(対象:犬)
- 世界トップのフィラリア症予防薬ブランド「カルドメック(ハートガードプラス)」のジェネリックです。
- ペットくすりで不動の人気No,1フィラリア症予防薬です。ひと月1錠の投薬でフィラリア症を予防できます。
- 子犬でも生後6週間〜から使える安全性の高い薬です。
- フィラリア症予防だけでなく腸内寄生虫、回虫、鈎虫など多くの寄生虫症予防に作用します。
錠剤タイプ(タブレット)
キウォフハート(対象:犬)
- 「ハートガードプラス」のジェネリック薬品のため安価に購入できます。
- 1錠の投与だけでフィラリア予防&消化管寄生虫の駆虫ができます。
- 経口薬のため、投与後にシャンプーや水浴びをしても効果に影響しません。
スポットオンタイプ
レボリューション(対象:犬・猫)
- 食べる予防薬だと吐き出してしまう場合でも、背中に薬液を垂らせば良いだけの薬です。
- ノミの成虫に加えて幼虫や卵、蚊にうつされた犬糸状虫(以下、フィラリア)の幼虫、耳が痒くなるミミヒゼンダニ、これらすべてを駆除できます。
- レボリューションは、皮膚から薬剤が浸透してくれるので、投与してから2時間後からシャンプーしてもOKです。
- 有効成分セラメクチンはコリー系の犬における安全性も認められています。
効能別 ペットくすりWEBおススメフィラリア予防薬
フィラリアと消化管寄生虫駆除
ハートプロテクトプラス(対象:犬)
- フィラリア予防薬トップセールスのカルドメックと全く同じ成分が配合されたジェネリック、お値段は節約でも、効果は全く変わりがありません。
- 蚊に刺されると移るフィラリアの幼虫、お散歩などで移る回虫や鉤虫、これらをおやつのような美味しい予防薬で一掃してくれます。
フィラリアとノミ・ダニ予防(マダニは含まない)
ストロングホールド(対象:犬・猫)
- 月に1回皮膚に塗布するだけで、フィラリア・ノミを予防することができます。
- 飲み薬が苦手なわんちゃんやねこちゃんへ最適なお薬です。
- 安全性が高く、ほかのフィラリア予防薬が使えない場合も投与可能です。
フィライアとノミ・マダニ予防と消化管寄生虫駆除(オールインワン)
ネクスガードスペクトラ(対象:犬)
- ネクスガードスペクトラは、フィラリア、ノミやマダニ、回虫、小回虫、鉤虫、鞭虫に効果があるオールインワンのお薬です。
- 毎月1回、美味しいチュアブルを与えるだけで投薬完了です。
- 食べるタイプなので、投薬後すぐにシャンプーなどできるのも魅力です。
- 有効成分ミルベマイシンオキシムは、コリー系の犬種への投与も安全と証明されています。
まとめ
- 大切な愛犬や愛猫が命を落とす危険があるため、フィラリア予防薬の投薬前にはフィラリア感染の有無を必ず検査しよう
- フィラリア予防薬の投与期間を理解した上で、適切な予防薬を投薬しよう
- フィラリア予防薬には様々なタイプ・効能があるのでそれを理解し、適切なお薬を愛犬や愛猫に選択することが重要
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