犬の典型的な病気の一つが「フィラリア」です。
蚊から伝染する病気でフィラリアに感染した蚊に刺されることで感染します。
蚊に刺されないようにするため100%防ぐことは、ほとんど不可能ですが、刺されても感染しないような様々な予防薬があり、徹底した投与をすろことで予防できます。
しかし、予防薬を服用していない場合は、環境にもよりますが、特に屋外など蚊が多い場所で飼育されている場合は、高い確率で感染する可能性があります。
そして、フィラリアに感染するとすぐに特定の症状は現れませんが、徐々にフィラリア寄生虫の数が増えると、心臓の機能に影響を与える可能性があります。
また突然死を引き起こす病気でもあります。
残念ながら、症状の発症後に飼い主が気付くケースが多々あります。
フィラリアは蚊から伝染する感染症です。
もちろん、人や他の動物は蚊に刺されます。
ということは、人や他の動物もフィラリアになる可能性はあるということでしょうか。
犬のフィラリアは人にも感染するのか不安になるのは当然です。
ここでは、犬のフィラリア症が人にも感染するのか詳しく解説していきますので参考にしてください。
犬フィラリアは人にも感染するのか
フィラリアは人間と他の動物の両方に感染する可能性があります。
しかし、フィラリア感染は人間では非常に稀なケースです。
フィラリアは、通常の蚊に刺されただけで感染するのではなく、フィラリアに感染した蚊に刺されることで感染するのです。
フィラリアに感染している犬の血中にはミクロフィラリアが生息しています。
蚊がこの犬の血を吸うと、ミクロフィラリアは蚊の体内に入り、蚊の体内で成長し、感染子虫になります。
この感染子虫を運ぶ蚊に刺されたとき、犬や人、その他の動物はフィラリアに感染する可能性があります。 。
つまり、フィラリアに感染した犬から直接感染することはありません。
必ず、蚊を媒体して感染する必要があるのです。
だからフィラリアに感染した犬と一緒に住んでいる場合など、当然感染のリスクは高くなります。
周りに感染子虫のいる蚊がいる可能性が高いからです。
これは犬同士でも同じです。フィラリアに感染した犬が近所にいる場合は感染率が高くなります。
逆に、周辺にフィラリアに感染している犬がいない場合は、感染子虫のいる蚊がいないため感染の可能性は低いです。
蚊の行動範囲は出生地から半径15mといわれていますので、30m以内にフィラリアに感染染している犬がいる場合に可能性が非常に高いと予想されます。
しかし、蚊の行動範囲が狭いとしても、フィラリアに感染した犬が、別の場所で蚊に吸われて、感染を拡大するために安心はできないのです。
したがって、フィラリア予防は必要となってくるのです。
フィラリアは犬糸状虫という名前のとおり、犬の体内を好み、効率よく成長していきます。
よって、人に感染していても、犬の体内ほど成長も増殖もしないために深刻にはなりません。
ほとんどの場合は無症状のままです。
そのうち、フィラリアは寿命になり死滅していきますので、ほとんどの場合、最後まで感染したことに気付かないでしょう。
日本では、犬から人への感染は約100例ほど報告されていますが、人の場合は心臓ではなく肺への疾患が多く、肺がんや肺結核と診断して手術をしたときに実はフィラリア症だったという例が多いようです。
また、海外で多くに発生するフィラリア症は犬糸状虫ではなく、バンクロフト糸状虫やマレー糸状虫、チモール糸状虫などに起因するものです。
他の動物の感染では、最近では猫のフィラリア症が増えています。
しかし、猫の場合はフィラリアが寄生したとしてもそれほど増殖せず、1〜2匹の寄生虫に留まります。
ただ、猫は体が小さいので、寄生虫の数が少ない場合でも体への負担が大きく、重症になる場合がありますが、症状が分かりにくく無症状のことも多いです。
よって、猫にもフィラリア予防が推奨されるようになってきました。
基本的にフィラリア予防方法と予防薬については犬と同じなのですが、猫の場合はフィラリアの診断が難しいので、初めての場合は動物病院の説明をきちんと受けてから予防を行うのが推奨されます。
人がフィラリア症に感染する原因およびメカニズム
人に感染するフィラリア症は、線虫のなかの糸状虫と呼ばれる寄生虫によって引き起こされる病気です。
フィラリア症は、アフリカや南アメリカなどの熱帯および亜熱帯地域で見られる感染症であり、世界中で1億人以上が感染していると推定されています。
日本では、フィラリア症の撲滅に成功し、それ以降の症例は見つかりませんでした。
寄生虫に感染しても症状を示さない人もいますが、中には発症する人もいます。
フィラリア症が発症すると、急性期には発熱や悪寒、筋肉の痛みが、慢性期には下肢や陰嚢の腫れが発生することがあります。
フィラリア症は、バンクロフト糸状虫やマレー糸状虫、チモール糸状虫の感染によって引き起こされます。
これらの寄生虫は蚊の体内に潜んでおり、蚊に刺されると人間に感染します。
人体に侵入した寄生虫は、成熟して成虫になり、主にリンパ管にダメージを与え、特定の症状が現れます。
成虫はミクロフィラリア(幼虫)を血中に放出し、蚊は吸血し、ミクロフィラリアは蚊に感染した幼虫になり、再び人を刺すと蚊が感染します。
また、寄生虫に対するアレルギー反応を引き起こすかもしれません。
フィラリア症は地域の病気です。
幼い頃から病気の蔓延している地域に住んでいた場合、成人期に発症する可能性があります。
短期旅行者は病気を発症するリスクが低いです。
人がフィラリア症に感染した時の症状
ほとんどの場合、寄生虫は症状を引き起こしません。
流行地域で繰り返し感染すると、病気が発症します。
フィラリア症が発症すると、急性期に発熱、悪寒、筋肉痛が発生することがあります。
慢性期には、主に下肢や陰嚢に腫れが生じることがあります。
リンパ管の流れが損なわれ、陰嚢が腫れ、乳び尿(リンパ液が混じった尿)ができます。
何年にもわたって、皮下組織が肥大し、外観が象の足のように見える場合があります。
これは象皮症と呼ばれます。 陰嚢も巨大になる可能性があります。 局所的な痛みも腫れと関連している可能性があります。
リンパ管はまた体の免疫に重要な役割を果たします。
免疫機能の低下により、細菌や真菌などの感染症が発生することがあります。
人のフィラリア症の治療および予防
フィラリア症は、顕微鏡で血液を見て、病原体であるミクロフィラリアを探すことによって診断されます。
ミクロフィラリアは夜に血液中を移動する習慣があるため、血液は夜に採取されます。
さらに、血液または尿を使用して、リンパ球、好酸球、抗体価を測定し、腎機能を評価し、タンパク尿、血尿、および乳汁尿を確認します。
さらに、超音波検査では、拡大したリンパ管内を動いている成虫が確認される場合があります。
フィラリア症は、ジエチルカルバマジン、アルベンダゾール、イベルメクチンなどの薬物で治療されます。
これらの薬は主にミクロフィラリアに対して駆虫効果があります。
フィラリア症が発症した場合は上記の治療法が行われますが、日本では抑制活動によりフィラリア症は撲滅されたため、発症者は無くなりました。
フィラリア症は、流行地域での病原体の繰り返し感染により発症する可能性があるため、流行地域での蚊に刺されないようにする方法を考案することが重要です。
特定の例には、防虫スプレーや蚊帳の使用が含まれます。
また、肌が入らないように長袖と長ズボンを着用することも重要です。
現在、流行地域のフィラリア症を抑制する国際的な動きがあります。
人がフィラリアに感染しないために一番大事なこと
以上より、現代の日本ではバンクロフト糸状虫やマレー糸状虫、チモール糸状虫の感染によるフィラリア症に感染する可能性はほぼありません。
日本にはこれらの糸状虫は存在して無いからです。
しかし、犬糸状虫はフィラリアに感染している犬に存在していることから、犬糸状虫を起因としたフィラリアに人が感染する可能性はゼロではないのです。
もちろん、犬糸状虫を起因としたフィラリアに感染した場合でも、ほとんどは無症状や軽症のケースが多いのですが、人によっては重症化しないとも限りません。
やはり、人がフィラリアに感染しないことに越したことは無いのです。
人がフィラリアに感染しないために一番大事なことは、身近にいる愛犬をフィラリアに感染させない!これに尽きます。
愛犬をフィラリアから守ることで、フィラリアを愛する家族から守ることが大事なのです。
幸い、現在は動物医学の進歩により、フィラリア症は100%予防出来る時代になりました。
あなたの、心がけ一つであなたの愛犬を簡単にフィラリア症から守ることが出来るのです。
あるペット保険会社の調査では、97.1%の飼い主が「フィラリア予防をしている」と回答したといいいます。
もはや、愛犬のフィラリア予防は飼い主の義務となりつつあります。
もし、あなたがご自分の愛犬のフィラリア予防を怠っていたとしたら、あなたは飼い主の責務を果たしていないことになります。
これは、非常に恥ずべき怠惰です。
今すぐ、愛犬のフィラリア予防を行ってください。
ペットくすりWEBではフィラリア予防薬に関する様々な情報を提供しています。
是非、下記の関連記事を併せて読んでいただき、あなたの愛犬のピッタリのフィラリア予防薬を選んでください。
まとめ
- フィラリアは人に感染する可能性がありますが、感染は非常に稀なケースです。
- フィラリアはフィラリアに感染した蚊に刺されることで感染します。
- 人がフィラリアに感染しないために一番大事なことは、身近にいる愛犬をフィラリアに感染させないことです。
- 現代では愛犬のフィラリア予防は飼い主の義務です。
関連記事